省都杭州市
自然地理
浙江省は中国南東部沿海地域、長江デルタ南部に位置し、中国で最も大きい都市の上海と隣接する。省都杭州と上海の高速道路距離は130余キロメートルである。
浙江省の陸地面積は10.18万平方キロメートルで、海洋面積は26万平方キロメートルである。大陸海岸線と海島海岸線の長さは6500キロメートルに達し、全国海岸線の長さの20.3%を占めており、中国首位の省である。500平方メートル以上の島の数は3061、中国でもっとも島が多い省の一つである。
雁蕩山
浙江省には雁蕩山、普陀山,雪竇山、天目山、天台山などの名山、杭州西湖、千島湖、紹興東湖、嘉興南湖などの名湖、銭塘江、楠渓江などの名川がある。京杭大運河は浙江北部を通り越し、杭州で銭塘江に流れこむ。
浙江省の気候は亜熱帯モンスーン気候に属して、四季がはっきりしており、日照が長く、降水が十分である。年平均気温が15~18℃。
単位面積によって計算してみれば、浙江省の水資源量は全国四位である。中国の“東南植物宝庫”との呼び名があって、樹種資源はとても豊富である。“生き化石”といわれているイチョウなどの50余種の野生植物は国家希有保護名簿に入れられた。既知の野生動物は1900種があって、そのうち国家重点保護野生動物名簿に入れられた動物は120余種を数え、全国の野生保護動物の1/3を占めている。浙江の鉱物資源は非金属鉱物を主とする。埋蔵量が明らかになった鉱物の中で、明礬、叶蝋石、建築用の凝灰岩などは全国トップで、蛍石は全国2位を占める。大陸棚は豊かな石油と天然ガス資源を埋蔵しており、開発の前途が見込まれている。漁業資源も充実し、舟山諸島は中国最大の海洋漁業基地である。
人口?区画2006年末まで浙江省居住人口は4980万人である。漢族を除き、約40万人が53の少数民族に属して、そのうち畲(ショオ)族が約20万で、回族が約2万である。全国唯一の畲族自治県――景宁畲族自治県は浙江省麗水市にある。
浙江省の行政区画は杭州、寧波、温州、嘉興、湖州、紹興、金華、衢州、舟山、台州、麗水など11の省轄市があり、その下に県が36、県レベルの市が22、32の市轄区がある。
歴史沿革浙江省の歴史が悠久で、早くも5万年前の旧石器時代に原始人類“建徳人”が今の浙江省西部山間部に生きていた。新石器時代に入ると、浙江省内の人類活動の範囲はとても広いとされている。全省で発見した新石器遺跡は百箇所以上である。三国時期(220-280年)にはじめて省の行政区画になって、唐粛宗乾元(かんげん)元年に浙江は省レベルの行政区としてそのひな型を整った。南宋王朝(1127-1279年)は臨安(今の杭州)を国都として、150年続いていた。明朝(1368-1644年)に“浙江省”の名前は正式に現れた。
歴史上に浙江省は経済が発達し、シルク産業、窯業、製紙、印刷と造船業などは当時の中国においてトップの地位に位置していた。思想家王充(おうじゅう)、王陽明(おうようめい)、黄宗羲(おうしゅうぎ)、龚自珍(こんじちん)、詩人賀知章(がちしょう)、駱賓王(らくひんおう)、孟郊(まんこう)、陸遊(りくゆう)、科学家沈括(ちんかつ)、劇作家李漁(りぎょ)、洪昇(こうじょう)などの名人は浙江省の代表である。20世紀に中国の文豪魯迅、茅盾(ぼうじゅん)、教育家蔡元培(さいげんばい)、知名科学家茅以昇(ちいしょう)、竺可楨(じくかてい)、銭学森(せんがくしん)、陳省身(ちんしんしん)および李叔同(りいしゅくどう)、王国維(おうこくい)、夏衍(かえん)、艾青(がいせい)、徐志摩(じょしま)、陳望道(ちんぼうどう)、馬寅初(ばいんしょ)、金庸(よう)などの名人はみんな浙江人である。
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図:東海の漁船 |